論理の哲学セミナー「ウィトゲンシュタインとラムジー」
"Wittgenstein and Ramsey"

Webページ:https://abelard.flet.keio.ac.jp/seminar/Wittgenstein_and_Ramsey/

概要
「論理の哲学セミナー – ウィトゲンシュタインとラムジー」
発表者:高木俊一氏(ロンドン大学 University College)
日時:2020年1月11日(土)15:00 – 18:00
場所:慶應義塾大学 三田キャンパス 南館地下4階 ディスタンスラーニングルーム (構内図はこちら
使用言語:日本語
Abstract
Philosophy of Logic Seminar - Wittgenstein and Ramsey
Speaker: Shunichi Takagi (University College London, PhD candidate)
Date: 11 January 2020 (Sat.) 15.00 – 18.00
Venue: Distance Learning Room, 4th underground floor, South Building (Building #2), Mita campus, Keio University, Tokyo (MAP)
Language: Japanese (but questions in English are welcome)
プログラム / Programme
15:00 – 15:50 発表(第1部) / Talk(Part 1)
15:50 – 16:20 質疑 / Q&A
16:20 – 16:40 休憩 / Break
16:40 – 17:30 発表(第2部) / Talk(Part 2)
17:30 – 18:00 質疑 / Q&A
発表要旨
講演題目:‘But we must beg the question of syntax’: Ramsey contra Wittgenstein

本発表は、『哲学探究』第81節において報告されている、ラムジーによるウィトゲンシュタイン批判の内実を、現存するラムジーの遺稿の体系的な吟味により再構成する。1) ラムジーは28年4月にウィトゲンシュタインの、論理的思考の明晰化としての哲学というモチーフを検討する過程で、いわゆる分析のパラドックスに遭遇し、これを解消するような意味の理論が必要であると判断した。しかし、そうした意味の理論の構築は即座にはできず、この課題は保留された。2) 代わって、ラムジーはその他多様な問題群に取り組むことになったが、特に理論の性質や因果性について考察する中で、「事実の総体」としての現在の世界の記述ではなく、未来の出来事に対する予測をベースとしたプラグマティックな枠組みを全面的に採用することとなった。3) この帰結こそが、29年9月に書かれた一連の草稿群であり、ここにおいてラムジーは28年に分析性に関して生じた課題を解消しうる枠組みに達したが、これは同時に29年以降もウィトゲンシュタインが依然として保持していた思考と計算とのアナロジーや、哲学が思考の明晰化を行うという発想に根本的な疑義を投げかけるものであった。4) ラムジーの批判はこのような深い射程をもっていたため、ウィトゲンシュタインが当初ラムジーの批判を解さず、その真価に気づき始めたのが33年末にまでずれ込んだという事実にもかかわらず、34年以後の思想の発展において重要な役割を占めることとなった。以上を現存する資料の批判的な吟味により実証する。

問い合わせ先
慶應義塾大学論理と感性のグローバル研究センター (http://www.carls.keio.ac.jp/gcarls/index.html)
慶應義塾大学文学部哲学専攻 岡田光弘研究室 ([email protected])
慶應義塾大学・日本学術振興会特別研究員CPD 伊藤遼 ([email protected])
(討論コーディネーター/オーガナイザー:岡田光弘、伊藤遼)
Contacts
Global Research Center for Logic and Sensitivity, Keio University (http://www.carls.keio.ac.jp/gcarls/index.html)
Professor Mitsu Okada, Philosophy Department, Keio University ([email protected])
Dr. Ryo Ito, JSPS postdoctoral researcher (CPD), Keio University ([email protected])
(Discussion Coordinators/Co-organizers: Mitsu Okada, Ryo Ito)